彼の瞳のその先に
「あ…」
席に戻るところで
その人物がいることに気づき、
かすかに声が漏れてしまった。
幸い誰にも聞かれていないみたいだ。
ドリンクをこぼさないようにそっと自分の席に戻り、密かに待っていた人物を眺めた。
今日はもう来ないと
諦めていたので少しテンションが上がる。
やっぱり何度見てもかっこいいな。
待っていたのは、彼。
といっても勝手に待っていたわけで彼氏とか知り合いですらない。
2週間前に図書館に来た時、
偶然見つけた彼に一目惚れしてしまった。
でも彼は毎日来るわけではないので、
見かけない日も時々ある。
なので今日も諦めていたのでところだったので、嬉しい。