コガレル ~恋する遺伝子~


 俺の突然の登場に驚いた表情の葉山さん。
 その目の前には、発売前の週刊誌が置いてあった。

 結局どうでもいいことで葉山さんに当たり散らして、成実と家を出た。

 馬鹿だ俺は、逆ギレして出てきた。
 反抗期のガキか。

 成実がこの家の中にいるのが嫌だった。
 成実といる俺を見られるのも嫌だった。

 玄関を出たところで、成実の腕を解いた。
 歩き出してガレージに向かう途中、帰ってきた准と鉢合わせた。

「圭、誰?」

 成実は俺の肘をつついて聞いた。

「弟」

 成実は絡みたそうだったけど、准はチラッと一瞥しただけで、家の中に入って行った。

「照れてる、可愛い」

 照れてねーだろ、アレ。
 面倒だからそこは突っ込まなかった。


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