コガレル ~恋する遺伝子~
【眠るな危険】
お屋敷に戻ると案内された私の部屋は、二階のゲストルームだった。
階段を登ってすぐの部屋。
和乃さんがベッドメイクして、窓の開放で換気していてくれた。
圭さんは私の荷物を運び入れると仕事へ出かけてしまった。
間もなく昼になる時刻の出社、本当に何の仕事をしてるんだろう?
改めて部屋を見渡すと、たぶん10畳以上はありそう。
窓は大きくて部屋全体が明るい。
キャビネットや備え付けの小さなライティングデスク。
家政婦なのにこんな上等な部屋に住まわせてもらうのは申し訳ない。
…後で専務に相談しよう。
部屋をすぐに移動できるように荷物の開封は最小限に。
シーツにシワがつかないようにベッドにも触れなかった。
とりあえず動きやすいパンツスタイルに着替えた。
和乃さんに屋敷の中を案内してもらいながら、家事の手順を習うことになってた。
私が慣れたら和乃さんは家政婦業から引退するそうだ。