コガレル ~恋する遺伝子~


「杉崎部長」

「え!」

「あ、まだ杉崎課長だ! 来月から杉崎部長」


 そんな時タイミング良く、杉崎課長が到着した。

「杉崎課長は、こちらです」

 綾さんが自分の向かいの席、私の斜め前の席を課長に勧めた。

「お疲れ様です。
今日は忙しい中、ありがとうございます」

 立ち上がって挨拶すると、
「元気か?」そう声をかけてくれた。

「部長、限界です、乾杯の音頭お願いします!」

 向こうの席から野次が飛ぶと笑いが起こった。

「コラッ、部長って言うな」

 叱責しながらも、送別会という名の飲み会は始められた。

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