極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
恋を辿る
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朝比奈さんの白い車が目の前の路肩に寄せられた。
カナちゃんはもうすぐ着くという朝比奈さんの連絡があった時点で、さっさと退散済みである。
「真帆」
運転席から降りて来た朝比奈さんは、私の姿を見止めた途端、ふわりと表情を綻ばせた。
なんだかそれが無性に気恥ずかしくて、視線を足元に落とした。
「良かった、待ってた。足は?」
「大丈夫です、ほんとに。明日にはヒールに戻ります」
そうでも言わなければ、毎日送るとか言いそうだ。
事実、今日一日なるべく使わないようにしていたら思っていたよりも痛みは引いていた。
視界に、私のスニーカーに向かい合わせに彼の革靴が映る。
さりげなく伸びてきた彼の手が、私の左手を掬い上げた。
「なら良かった。送るから乗って」
足元を気にしつつ私の手を引き、彼が助手席側のドアを開けた。三年ぶりの彼の車だ。乗ることに少し躊躇ったけれど。
「心配しなくても、ちゃんとまっすぐ送るよ」
眉尻を下げた困ったような笑い方とあくまで優しい誘導に、観念して助手席に乗った。
朝比奈さんの白い車が目の前の路肩に寄せられた。
カナちゃんはもうすぐ着くという朝比奈さんの連絡があった時点で、さっさと退散済みである。
「真帆」
運転席から降りて来た朝比奈さんは、私の姿を見止めた途端、ふわりと表情を綻ばせた。
なんだかそれが無性に気恥ずかしくて、視線を足元に落とした。
「良かった、待ってた。足は?」
「大丈夫です、ほんとに。明日にはヒールに戻ります」
そうでも言わなければ、毎日送るとか言いそうだ。
事実、今日一日なるべく使わないようにしていたら思っていたよりも痛みは引いていた。
視界に、私のスニーカーに向かい合わせに彼の革靴が映る。
さりげなく伸びてきた彼の手が、私の左手を掬い上げた。
「なら良かった。送るから乗って」
足元を気にしつつ私の手を引き、彼が助手席側のドアを開けた。三年ぶりの彼の車だ。乗ることに少し躊躇ったけれど。
「心配しなくても、ちゃんとまっすぐ送るよ」
眉尻を下げた困ったような笑い方とあくまで優しい誘導に、観念して助手席に乗った。