極上スイートオフィス　御曹司の独占愛
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三年前、伊崎が本社に戻って少し経った頃、だそうだ。
同期会をしようと意気込みだけで、予定を立てようとしても私が仕事一辺倒で、全く話が進まなかった頃。


仕事上がりに時間が合えば話そう、と約束していたその日も私は帰れず、伊崎はひとりバーに立ち寄って、そこで声をかけられたという。


その日が果たして偶然だったのかどうなのか、伊崎にもわからないらしいが、向こうは最初から伊崎のことを知っていたそうだ。


「朝比奈さんと同じ部署でしょう？ 彼とペアの女の子と親しそうに話してるのを見たことがあったから。彼からもよく話を聞いてます」


その話しぶりから、朝比奈さんと親しいか、寧ろそれ以上の関係だろうと、すんなり思い込んでしまったらしい。


酒もほどよく回って、意気投合したふたり。
やがて朝比奈さんの話から、自然と互いの恋の話へ移り、やがて悩みごとへと変わる。


そこからの話を伊崎は酷く躊躇い、珍しく昼食のパスタも喉を通らない様子だった。


倉野さんは、彼に憧れる後輩の女の子のことが気掛かりで仕方ない。
伊崎は、ちょっといいなと思ってる同僚が朝比奈さんと仕事で頭がいっぱいで付け入るスキがない。


そして倉野さんからある提案をされた、という。


「私と彼がプライベートで会ってることを知ったら、彼女も諦めるんじゃないかしら」


酔いも回っていたが、さすがにそこまで、と笑って誤魔化したそうだが、その後も倉野さんは上手かった。

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