極上スイートオフィス 御曹司の独占愛


「深く考えることないわ。待ち合わせの時間と場所を教えるから、上手く時間が合えば同じ時間くらいに近くにいればいいんじゃない?」


上手くいけば、落ち込む彼女を慰められるし、敵わない憧れから目を覚まさせるいい機会かも。
そんな風に囁かれ、伊崎もその場は笑って済ませたが連絡先は交換した。


伊崎に言わせれば、そこからは偶然も重なったようだった。
社食で私以外のメンバーと同期会の打ち合わせをした時、候補に挙がった日程に、倉野さんから連絡があった日が入っていた。


時間帯も、私が忙しそうだからと遅い時間を指定すれば、それもすんなり通り、私とふたりで倉野さんと朝比奈さんの待ち合わせ場所が見える駅前のカフェに入れた。


私が朝比奈さんと付き合っていたなんて思いもよらず、ただ憧れだっただけの割には、と私の落ち込みように狼狽えもしたが、嫉妬もした、という。


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