極上スイートオフィス 御曹司の独占愛

燻る熱に身を捩り、悶えるうちに、衣服の全てを取り払われて。
やがてふたり、素肌を合わせていた。


熱を上げていく肌を重ね、腕を絡ませ、彼の手のひらが身体中の肌を撫でて誘う。
高まる感度、溜まる熱に汗ばみ息苦しさを覚えながらも、私は彼に縋り付き、離れなかった。


一秒たりとも、離れたくない、今は。
ほんの僅かでも、彼が身体を離そうものなら。


「やだ……やだ、いかないで……」


あの日言えなかったワガママを、泣きながら口にした。


「真帆、どこにもいかないよ」

「離れないで」

「ここにいる」


ぴったりと身体を合わせ、額と唇を触れ合わせ、息遣いまで重なった時。
濡れる私に彼が沈む。


その瞬間、私は泣き声とも嬌声ともわからぬ声を上げ、身体の芯から打ち震えた。


揺れる身体、求めあう心。
唇を合わせ絡ませ、空いた隙間で何度も互いの名前を呼んだ。


それでは埋まらない、戻らない月日を想い涙が流れる。


泣けることが、互いに時を惜しむ心がとても、せつなくて愛しかった。



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