極上スイートオフィス　御曹司の独占愛
からかい口調でたまたま話の流れが向いたのもあり、好きな男の有無でも聞き出してみようか、と軽い気持ちの会話だった。


真っ赤なのは酒の余韻だろうかと思う。
彼女がぎゅっと眉を寄せ、傷ついた顔をしてぽろっと口に出した。


「クリスマスは好きな人の隣にいたいです。だからお仕事させてください」


酔った勢いだったのだろう。
言い終えてから彼女はぱっと目を見開いて、僕を見た。


聞いた僕も驚いたが、本人が何より呆然としていた。


「すみません！間違えました！」

「間違い」

「いえ、違わないけどこんな、言うつもりじゃなくて、ただお仕事で一緒にいられるのはだからしんどくないって意味で」


みるみると赤が濃くなり、耳まで広がる。


それはつまりどういう意味かと意地悪して問い詰めたら、泣いてしまいそうな慌てぶり。


涙目になりそうなのを必死で堪えた眉間の皺まで僕には可愛らしくて、そんな自分が可笑しかった。

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