極上スイートオフィス 御曹司の独占愛


「え……」

『神戸の方まで顔出したかったんだけど、今日中に手が回らなくて』

「そうなんですか。じゃあ」

『明後日も遅くなるかもしれないから。約束はまた後日にしよう。週末にはちゃんと時間作れるから』

「……ですね。わかりました」

『ごめんね、真帆』


申し訳なさげな彼の声に、慌てて明るい声を出す。


「大丈夫です。朝比奈さん、無理しないでください。うちに着いたので、もう切りますね」


本当にうちに着いたタイミングだったのだけど。
無理に取り繕った声も重なって、拗ねたように思われてないか心配になった。


「……あーあ」


朝比奈さんは、相変わらず忙しい。


拗ねてはいないけど、明日は朝比奈さんがこっちで新しく借りたマンションに連れて行ってもらう約束になっていたから、とても楽しみにしていた。


仕事なのだから仕方ない。
わがままは、彼が帰ってきてから言うことにする。

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