極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
「吉住さん、何か知らないんですかー?」
「ん? あー……倉野さんは、違うんじゃないかな?」
三年前は、それでも隠し通そうと小さくなって泣きべそをかいた。
今は、当然比べられたような気になってショックはあるけれど、どういうわけか「むっ」と込み上げる反発心の方が強かった。
可愛げが無くなったのか強くなったのか、控えめだったのが図々しくなったのか、私に判別はつかないが。
三年前と同じじゃない自分自身に、ちょっとだけ背中を押された。
「え、何! やっぱ吉住さんなんか知ってるんですか?」
「他に誰かいるってこと?」
「え、すごい気になる! どこの美女?」
「ここの美女」
と、自分を指差してうっかり、言ってしまったのだった。
は?
とぽかんと口を開いたのは女子社員だけでもなく、たまたま聞いてた他のエリアマネージャーも居た。
いつのまにか昼休憩から伊崎も戻っていたようで、にやにや笑いながら私を見ている。
ごめんね。
皆が思うような美女じゃないけども。
「朝比奈さんの彼女は、私です。今も昔も」