極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
*****

お風呂上りに、ちょっと贅沢用のヒアルロン酸パックをぴったりと顔に張り付けた。


「疲れたぁ」


昨日、うっかり爆弾発言をしてしまってから、質問攻めにあって忙しいフリで適当に流しておいた。
きっとこれも数日で広がって、噂を塗り替えてしまうだろう。


明日、朝比奈さんが出社したら、みんな彼にも質問しまくるだろうか。
失敗だったかなあ、と少しだけ頭を過った。


朝比奈さんは多分、怒らないと思うけれど……私が気恥ずかしいではないか。
社内恋愛、公けにすることがこんなにこっぱずかしいこととは思わなかった。


それに、少々別で心配なこともあったり、する。


ふう、と一息ついてローテーブルの置かれたラグの上にぺたんと座る。
テーブル上に置いてあったスマホが、チカチカと着信があったことを知らせていてカバーを開いた。


「あ。朝比奈さん?」


今日は帰るとしても遅くなるから、と言っていたけれど、お風呂に入っている間に電話をくれていたらしい。


もしかして、やっぱり今日も帰れなかったとか?


無性に寂しくなってかけ直そうとしたが、ピンポンと鳴ったインターフォンの音で指は止まった。

< 204 / 237 >

この作品をシェア

pagetop