極上スイートオフィス 御曹司の独占愛

そう言うと、彼はぽかんとした顔で意味を図りかねてるようだった。
なので私から、更に詳細を説明する。


「朝比奈さんと倉野さんが、噂になってたので。なんかちょっと……やだなって」


あ。
これってヤキモチ妬きましたって言ってるようなものだ。


そう気が付いて、かあと顔が熱くなる。


「佐々木さんたちに、倉野さんが彼女なのかって聞かれたから……彼女は私ですって言っちゃった。朝比奈さん、ごめんなさい。明日、もしかしたら質問攻めに……」


コーヒーカップの持ち手を無意味に弄りながら、しどろもどろに説明を終えれば、黙って聞いていた朝比奈さんにいきなり強く抱きしめられた。


「わ、あ、ちょっと、コーヒーが」


拍子にカップが少し揺れて、倒れはしなかったが少し零れてしまった。

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