極上スイートオフィス 御曹司の独占愛

だから拗ねないで、こっちを向いて。


囁かれて旋毛にキスの気配を感じた。
腕の中でそろそろと顔を上げると、額、鼻、と順にキスが落ちて来る。


そうして少し目を合わせ微笑みあったあと、ゆっくりと、深く。
唇を重ね、互いを絡めた。


拗ねて嫉妬して甘えて不貞腐れる。
それを受け止めてもらえると知ってることは、こんなにも安心できることなのだと理解する。


これからも、もっとたくさん、キスをしよう。


後悔したら、その数だけ。


すれ違ったら、その分も。


きっと、乗り越えた数だけ小さな絆がいくつも生まれ、それが繋がって鎖となって私たちを強く結んでくれるんだ。


キスに夢中になるうちに、とすん、と背中にラグの感触を受ける。
徐々に薄まるコーヒーの香りに変わって、今は彼の香水と汗の匂いが私を満たす。


指を絡め、舌を絡め、もう二度と離れないと、誓いながら
私は彼のキスに溺れ続けた。


END

< 211 / 237 >

この作品をシェア

pagetop