極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
「お昼はどうするの?」

「駅前ソバで適当に……」

「それ好きだね。僕もまた行きたいけど……外出してる時間はないかな」


彼は残念そうに腕時計に目を落とす。


「諦めよう。けど、夜は思ったより早く仕事が終われそうなんだ。君が時間合いそうなら待ってて」


オフィスではプライベートな空気は出さない人なんだ、と朝はそう思ってたはずなのに。
思いっきり今の会話はプライベートの約束にしか聞こえず、私は狼狽えながら頷いた。


「わ、わかりました。わかりましたから」

「後で連絡する。そこまで一緒に行く?」

「あ……じゃあ、はい。そこまで……」


私は外出、彼は恐らく社食かカフェに向かうのだろうから、エレベーターに乗るまでは同じだ。
ここにひとり残されてああだこーだ言われるのも嫌なので、一緒にこの場を脱出することにしたのだが。


< 215 / 237 >

この作品をシェア

pagetop