極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
「わざと誘いに来ましたよね」

「まあ、一回見せとけば皆勝手に納得するだろうから。口で説明するより目で見るものの方が簡単に信じるものだからね」


エレベーターについて、彼は上と下とを同時に押す。
上階の社員食堂に行くつもりらしい。


「それにこれで次から堂々と声かけやすく」

「なりません」


オフィスはお仕事するとこですから!
プライベートな空気は持ち込んだらいけないの!


ぽん、と音をさせて到着したエレベーターは下行きだった。
扉が開く寸前、彼が小さく囁く。


「じゃあね。週末と言ってた約束、君の仕事の都合がつけば、今夜にしよう」


それからエレベーターの扉が開いて、とん、と背中を叩かれて前へ出る。
中へ足を踏み入れてから振り向けば、彼は微笑んでいた。


数秒見惚れていれば、徐々に閉まっていく扉。
彼が完全に見えなくなる直前、私はこくんと頷いた。
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