極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
押してダメなら引いてください
――――――
三年前
――――――
入社して二年目の頃だった。
私はまだエリアマネージャーのアシスタントのような仕事しかしていなくて、毎日雑用に追われていた。
雑用しか任されていないのに、とんでもないミスをしてしまった。
ある催事のディスプレイを、全く別の店舗に配送で送ってしまったのだ。
「どうすんだよ今晩閉店してからディスプレイ変更する予定だったんだぞ!」
「すみませんっ! 今すぐ探しにっ」
「間に合うわけねえだろ!」
配送してしまった先は、それほど遠い場所じゃない。
ただ、予定になかったものを送られて、ブランドも別のものだったからどこが受け取ったのか配送先で荷物が行方不明になってしまっていた。
イライラと怒り狂う先輩に、泣きだしたいのを唇を噛んで耐え、最善の方法を考える。
ここで謝り倒してたって怒られ続けたって、事態は変わらない。
でも、どうすれば……。
「お待たせ。間違って送っちゃった荷物ってこれ?」
その時、ひょっこりとオフィスに戻ってきた朝比奈さんの手には、確かに私が送ってしまった段ボールの箱があった。
自分のエリアも持ちながらエリア長をしている朝比奈さんの耳にも入ったのだろう。
出先で聞いて、その足で探してきてくれたのだ。
「朝比奈さん!? わざわざ寄ってくれたんですか!?」
「帰り道だったから?」
「嘘つかないでくださいよ、全然逆方向じゃないですか!」
「ははっ。向こうに行ってみれば簡単だったよ。大きな商業施設だから、行く先不明の荷物を一旦保管してる場所があってね」
さっきまで怒ってた先輩が、ぺこぺこと朝比奈さんに頭を下げながら話しているのを、私は驚きと安堵から、ぽうっと見てしまっていた。
「おい! お前もぼっとしてないで朝比奈さんに謝れよ!」
カッ!
と鬼みたいな形相で睨まれて、びくっと背筋が伸びた。
三年前
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入社して二年目の頃だった。
私はまだエリアマネージャーのアシスタントのような仕事しかしていなくて、毎日雑用に追われていた。
雑用しか任されていないのに、とんでもないミスをしてしまった。
ある催事のディスプレイを、全く別の店舗に配送で送ってしまったのだ。
「どうすんだよ今晩閉店してからディスプレイ変更する予定だったんだぞ!」
「すみませんっ! 今すぐ探しにっ」
「間に合うわけねえだろ!」
配送してしまった先は、それほど遠い場所じゃない。
ただ、予定になかったものを送られて、ブランドも別のものだったからどこが受け取ったのか配送先で荷物が行方不明になってしまっていた。
イライラと怒り狂う先輩に、泣きだしたいのを唇を噛んで耐え、最善の方法を考える。
ここで謝り倒してたって怒られ続けたって、事態は変わらない。
でも、どうすれば……。
「お待たせ。間違って送っちゃった荷物ってこれ?」
その時、ひょっこりとオフィスに戻ってきた朝比奈さんの手には、確かに私が送ってしまった段ボールの箱があった。
自分のエリアも持ちながらエリア長をしている朝比奈さんの耳にも入ったのだろう。
出先で聞いて、その足で探してきてくれたのだ。
「朝比奈さん!? わざわざ寄ってくれたんですか!?」
「帰り道だったから?」
「嘘つかないでくださいよ、全然逆方向じゃないですか!」
「ははっ。向こうに行ってみれば簡単だったよ。大きな商業施設だから、行く先不明の荷物を一旦保管してる場所があってね」
さっきまで怒ってた先輩が、ぺこぺこと朝比奈さんに頭を下げながら話しているのを、私は驚きと安堵から、ぽうっと見てしまっていた。
「おい! お前もぼっとしてないで朝比奈さんに謝れよ!」
カッ!
と鬼みたいな形相で睨まれて、びくっと背筋が伸びた。