極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
「す、すみませんでした! 私のせいで!」
「いいよ、解決出来た。それよりお前はピリピリしすぎ。トラブルなんていくらでもあるんだから、怒るより最善を探せっていつも言ってるだろ」
「あ……あー……すんません、つい」
先輩は、朝比奈さんには素直に謝ったけれど、私に向かっては「お前のせいで怒られた」とでも言いたげな目で睨んでいた。
その通りだから、本当申し訳ない。
自分の不甲斐なさに打ちひしがれる。
そんな私を見かねたのか、朝比奈さんが声をかけてくれた。
「車で行っててよかったよ、もうひと箱あるだろ。積んだままだから、吉住、ちょっと運ぶの手伝ってくれる?」
「は、はい! 勿論です私が運びます!」
駐車場に行ってみれば、箱は結構な大きさで。
「吉住はこれ持って」
「えっ?」
「鍵かけてね」
ぽい、と渡されたのは朝比奈さんの上着とビジネスバッグ。それと車の鍵。
ディスプレイの入った箱は朝比奈さんが持ってしまった。
言われるままに車に鍵をかけると、既に歩き出していた朝比奈さんの後を追いかけた。
「あ、あの。ほんとにすみませんでした、私のせいで」
「もういいって。大したことはしてないよほんとに」
「でもっ、朝比奈さん忙しいのに」
「あ、エレベーター押して」
「はいっ!」
ボタンを押せば、すぐにエレベーターの扉が開く。
乗り込んで目的の階を押せば、じきにウィーンというエレベーターの稼働音がした。
表示を見れば、駐車場から上の階まで数字がゆっくりと移行していく。
沈黙がすごく重く感じて、私は再び同じ言葉を繰り返す。