極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
ミーティングルームに入ると、彼は長机に腰を預けて私を待っていた。
「いつからサブとの子達と上手くいってないの?」
腕組みをして、少し厳しい表情向けられて、私は目を泳がせながら言った。
「……最初から、でしょうか」
「僕のエリアを引き継いでから? 三年も?」
「まあ……揉めてごたごたするよりは自分でやった方が早くて」
そう言ってちら、と、彼に視線を戻せば、呆れたようにぽかんと口を開いている。
「三年の間に、ずいぶんたくましくなったようだけど」
「そうでないとやってられなかったんです、朝比奈さんの後釜なんて。面談の時言ったじゃないですか、大変だったって」
「大変だったのはよくわかった。けど、
サブとマネージャーでは立場が違う。上手く使うのも仕事のうちだ」
もっともな言葉に反論は見つからず、すみません、と小さく頭を下げる。
間違ってはいない。
けど、こんな風に上下を意識させるような物言いをする人だったろうかと、またひとつ以前と違うところを見つけた。
さっきの、佐々木さんに対してもそうだ。
「あんな言い方してしまって、良かったんですか」
フロア全体に引き締まったことは確かだろう。
あそこまで言われてはサブの子達も個人的な感情を仕事に持ち込めなくなるだろうが……以前はもう少し、相手を立てるような言い方で穏便なやり方を選んでいた気がする。
「戻って来てから厳しくなったって言われますよ」
「はは。大阪ではこんなもんじゃなかったけどね」
私の言葉に、彼は苦笑した。
私は一瞬、意味を図りかねてしまった。
「え、どういうことですか」
「鉄面皮だとか、人を馬車馬みたいに扱う鬼だとか色々叩かれたかな。みんな僕の前ではびくびくしてたなぁ」
ははは、と軽く笑っていうけれど