いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
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「がんばろっ」
ビルが建ち並ぶオフィス街だから、窓から見える景色のほとんどが灰色の建物だ。でもその隙間から覗く小さな青空を見つめて、今日も自分に暗示をかける。
大丈夫。きっと上手くやれる。これまでだってやれてきたんだもの。
ゆっくり息を吐いて毎朝のルーティーンを始める。コーヒーを淹れて自席に戻ったら、PCの電源を入れて仕事の準備だ。
「おはよう。何?スッキリした顔して。昨日のデート思い出してるのか、今日の打ち合わせが楽しみなのか、どっちよ?」
いつものようにお気に入りのコーヒースタンドのカップを手に、向かいの席に着いた梨花さんが面白そうに声をかけてきた。三年上で仕事も出来る梨花さんは大好きな頼れる先輩だけど、詮索好きなのが難点だ。
「勿論、打ち合わせが楽しみだからです。ちなみに昨日はデートじゃなくて別れ話されただけですけどね」
「は?別れ話されたって、なんで?だってあんなに積極的に口説かれたのに?」
ビルが建ち並ぶオフィス街だから、窓から見える景色のほとんどが灰色の建物だ。でもその隙間から覗く小さな青空を見つめて、今日も自分に暗示をかける。
大丈夫。きっと上手くやれる。これまでだってやれてきたんだもの。
ゆっくり息を吐いて毎朝のルーティーンを始める。コーヒーを淹れて自席に戻ったら、PCの電源を入れて仕事の準備だ。
「おはよう。何?スッキリした顔して。昨日のデート思い出してるのか、今日の打ち合わせが楽しみなのか、どっちよ?」
いつものようにお気に入りのコーヒースタンドのカップを手に、向かいの席に着いた梨花さんが面白そうに声をかけてきた。三年上で仕事も出来る梨花さんは大好きな頼れる先輩だけど、詮索好きなのが難点だ。
「勿論、打ち合わせが楽しみだからです。ちなみに昨日はデートじゃなくて別れ話されただけですけどね」
「は?別れ話されたって、なんで?だってあんなに積極的に口説かれたのに?」
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