いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
土曜日に偶然川原くんに会って思いがけない話をされてから、実は私の思考は前を向きつつある。
自分で勝手に涼介の気持ちをはかり、自分を責めて、あげく自分でがんじがらめになって、完結させて。
力を抜いて見つめ直して、そんな自分がいかに幼く馬鹿だったかを再確認できた。もっと緩やかに考えられるようになった。
そして、涼介ともう一度、ゆっくり話がしたいと思ったのだ。でもその時にはもう、メールからも電話からも逃げ出した後で。
こちらから連絡しなければと思うのに、なかなか指が動かない、にらめっこを終わらせられない。
はぁぁぁっと深過ぎるため息を吐き出した時、営業から内線が鳴った。
「はい、柏木です」
電話の向こうは紅栄堂さんの担当営業。どうやら急ぎらしくて、早口で用件を伝えられる。
自分で勝手に涼介の気持ちをはかり、自分を責めて、あげく自分でがんじがらめになって、完結させて。
力を抜いて見つめ直して、そんな自分がいかに幼く馬鹿だったかを再確認できた。もっと緩やかに考えられるようになった。
そして、涼介ともう一度、ゆっくり話がしたいと思ったのだ。でもその時にはもう、メールからも電話からも逃げ出した後で。
こちらから連絡しなければと思うのに、なかなか指が動かない、にらめっこを終わらせられない。
はぁぁぁっと深過ぎるため息を吐き出した時、営業から内線が鳴った。
「はい、柏木です」
電話の向こうは紅栄堂さんの担当営業。どうやら急ぎらしくて、早口で用件を伝えられる。