いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
「気難しい、ですか?」

意外だ。立場もあるからか、涼介は昔から良すぎるくらいに外面が良かったのに。

「まぁ噂だけどね。人嫌いでちょっと偏屈だって。打ち合わせも最低限だけであとはメールで済ますし、業界でも顔知ってる人極端に少ないしね」

「そういえば、HPやウェブでも顔は出してないですね」

そうだ。だから私はミズイ リョウの正体に気付いてなかった。

「そう!でも本人はイケメンなんでしょ?」

「そ、うですね。整った顔でした」

無邪気な梨花さんの好奇心に胸がドキリとする。

「やっぱりね!仕事できてイケメンなのに勿体ないって同業の人から聞いたことあるの。折角の容姿なのに、あんな無愛想だと流石にときめかないって笑ってた」

思い出して笑う梨花さんに「はぁ」と腑抜けた返事をしながら、私の頭の中では更に疑問が大きくなる。

意外過ぎる。王子様だとキャアキャア言われてた学生時代とは真逆過ぎるの評価だ。
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