いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
「で、どうしよっか?」

梨花さんに笑顔で尋ねられて、迷いが蘇る。


そうだ、どうしよう。今夜、私は涼介に会いに行くんだろうか?でも、会って何を話すの?涼介は私と何を話したいの?
たとえ涼介の性格が昔と変わっていたとしても、私には関係ない。なのに、こんなに気にしてしまうのは‥‥‥。


「ん?柏木ちゃん?」

「は、はいっ!」

「ミズイさんとの打ち合わせの報告、まず口頭でする?それとも報告書にまとめるまで待った方がいい?私、どうしよっか?」

「あ‥‥‥」

私、何焦ってるんだろう。梨花さんが涼介との約束を知ってるわけないのに。

「そうですね、まずざっとした流れを口頭でお伝えしてもいいですか?」

「そうね、その方が私も嬉しいかも。じゃ、ミーティングスペース移動しよう」

テキパキと準備する梨花さんに慌ててついていきながら、そっとため息が出た。
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