いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
ゆるゆると首を振った涼介は、もう一度私と視線を合わせる。

「ずっと思ってたんだ。もう一度、湊に会いたって」

その言葉に胸がドクン大きく音をたてた。それはさっきとはまるで違う、何かを期待してる鼓動。

「あのまま湊と会わなくなって、ずっと心に引っかかってた。俺のせいで湊はもう恋が出来ないんじゃないかって」

「ーーーそんな、気にしなくて良かったのに」

じんわりと沁みてくる落胆が惨めで、気付かないふりで声を張る。
そう、涼介は優しい人だった。昔の友達のことさえずっと心配してくれるくらい。それを勘違いしてなにを期待していたんだろうと、自分のイタさが恥ずかしい。
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