いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
「なんで?うちの大学に入りたい学部があるって言ってただろ?」
さっきまでの淡々としたぎこちない空気は一変して、涼介は私に掴みかからんばかりの勢いだ。
「うちの大学は偏差値も高いし、就職にも有利だし。エスカレーターで上がるために中学や高校から入ってくる奴も多い。湊もそれくらい分かってる事だろ?俺だって在学してるし、知り合いの先輩も多い。それもメリットだって前に話してたじゃないか」
それがデメリットだと考え直したんです、とは正直に言えなかった。
「関西にね、行きたい大学があるの。そこなら一人暮らしの祖母の家から通えるから、親も賛成してくれてて」
「家族の事情……なのか?」
探るような視線に、わざと曖昧な笑みで答える。
さっきまでの淡々としたぎこちない空気は一変して、涼介は私に掴みかからんばかりの勢いだ。
「うちの大学は偏差値も高いし、就職にも有利だし。エスカレーターで上がるために中学や高校から入ってくる奴も多い。湊もそれくらい分かってる事だろ?俺だって在学してるし、知り合いの先輩も多い。それもメリットだって前に話してたじゃないか」
それがデメリットだと考え直したんです、とは正直に言えなかった。
「関西にね、行きたい大学があるの。そこなら一人暮らしの祖母の家から通えるから、親も賛成してくれてて」
「家族の事情……なのか?」
探るような視線に、わざと曖昧な笑みで答える。