いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
携帯を手にしたまま、ウンウンと唸っていたら急に手の中で震え出した。

「ひゃっ!」

届いたのはメッセージ。

『昨夜は遅くまで付き合わせて悪かった。でも久しぶりに湊と会えて嬉しかったよ』

ナチュラルな殺し文句を朝イチで送ってくるあたりが涼介の女性遍歴の多さを示してるようで、いい気分がしない。返信せぬままに携帯をソファに放り投げて、朝の準備に洗面所に向かった。

鏡に映るのは、眉間にシワが寄るのに口は笑みを浮かべるという奇妙で器用な表情になっている自分。
それはそのまま、今の私の気持ちを正直に表していて、泣きたくなった。









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