いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防

テンション高く喋り続ける梨花さんの言葉がやっと脳みそに届いた、けれど状況の理解は出来ない。

「りょ、……ミズイさんが連絡してきたんですか？あの、何ていってきたんです？」

こめかみを抑え、一言一言を確認しながら梨花さんに質問する。でないと感情を晒してしまいそうだった。
そうでなくても朝の夢やら、そこから思い出してしまった記憶ならで感情が落ち着いていないというのに。比喩ではなく、頭が痛い。

けれど、質問に答えてくれたのは梨花さんではなかった。

「柏木、それは俺から説明しよう。ちょっといいか？」

オフィスに入ってきた部長に促され、会議室に入る。ここに連れて来られたって事は大事な話をされるって事だ。
部長の向かいの席に腰を下ろして、背筋を伸ばした。