いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
「今朝、ミズイさんから私と市来宛てにメールで連絡があったのは聞いたな?」
「はい」
「ミズイさんはな、担当を今後は柏木にするように依頼して来られたんだ」
「今後って……今回だけじゃなくてですか?」
つい前のめりになった私に部長は静かに頷いた。
「理由もちゃんと書かれていたよ。ミズイさんはご自身の都合で顔も個人情報もほとんど公表していない。だから打ち合わせも最小限で後は電話やメールでのやり取りで仕事をされてきた。これは業界でも有名な話だ。柏木も知っているな?」
「はい」
今度は私が頷く。もっとちゃんと打ち合わせしてくれたら仕事量だって増えるのに、意思疎通も簡単なのに、と涼介にも愚痴ったばかりだ。
「その不便さはミズイさんも理解しておられるが、それでもやはりなるべく自分を知られずに仕事をしたいらしくてな。だが、既に知っている人間なら話は別だ」
「はい」
「ミズイさんはな、担当を今後は柏木にするように依頼して来られたんだ」
「今後って……今回だけじゃなくてですか?」
つい前のめりになった私に部長は静かに頷いた。
「理由もちゃんと書かれていたよ。ミズイさんはご自身の都合で顔も個人情報もほとんど公表していない。だから打ち合わせも最小限で後は電話やメールでのやり取りで仕事をされてきた。これは業界でも有名な話だ。柏木も知っているな?」
「はい」
今度は私が頷く。もっとちゃんと打ち合わせしてくれたら仕事量だって増えるのに、意思疎通も簡単なのに、と涼介にも愚痴ったばかりだ。
「その不便さはミズイさんも理解しておられるが、それでもやはりなるべく自分を知られずに仕事をしたいらしくてな。だが、既に知っている人間なら話は別だ」