いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
そのまま部屋を出て行く部長の背中を見つめて奥歯を噛みしめた。

つまりはミズイリョウに全幅の信頼を置いていて、その彼と仕事する機会を是が非でも増やしたいって事だ。
そしてその為には、私の意思は二の次だと。

悔しいけれど、会社の立場で考えたらそれ以外の選択肢はないだろうと理解できる。理解できるからこそ、私の怒りは涼介に向かう


「柏木ちゃーん。私と柏木ちゃんに同送でミズイさんからメール来てるから確認して」

「ーーーはい」

でもその怒りを、ひょこりと会議室を覗き込んだ梨花さんに八つ当たるわけにいかないから。ぐっと飲み込んで自分の席に戻った。



⌘ ⌘ ⌘



そして、その翌日。指定されたカフェで私は、ブチまけるべき怒りの言葉を心の中で推敲している。
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