いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
「へぇ……」
最近では涼介のペースに押されっぱなしで、すっかり鎮火していた怒りがフツフツと湧いて来るのを感じる。
今度こそキッパリハッキリ怒るのだと決意を固めた私に気付かず、梨花さんがのんびりとした声で「思い出した」と続けた。
「そうそう。部長や経理の子からも言われてたんだけどね。柏木ちゃん、領収書はいいの?」
「領収書、ってなんですか?」
いきなり転換し過ぎた会話の方向についていけない。
「やだ、柏木ちゃんってば。領収書は領収書よ。出さないと経費が認められないヤツね」
「あ、はい。それは知ってます」
社会人をもう数年やっているのだ。領収書なら存在も、それを出さなきゃ自分持ちになる事も勿論知っている。ただ、なぜ急にその話題になったのか分からなかったのだ。
最近では涼介のペースに押されっぱなしで、すっかり鎮火していた怒りがフツフツと湧いて来るのを感じる。
今度こそキッパリハッキリ怒るのだと決意を固めた私に気付かず、梨花さんがのんびりとした声で「思い出した」と続けた。
「そうそう。部長や経理の子からも言われてたんだけどね。柏木ちゃん、領収書はいいの?」
「領収書、ってなんですか?」
いきなり転換し過ぎた会話の方向についていけない。
「やだ、柏木ちゃんってば。領収書は領収書よ。出さないと経費が認められないヤツね」
「あ、はい。それは知ってます」
社会人をもう数年やっているのだ。領収書なら存在も、それを出さなきゃ自分持ちになる事も勿論知っている。ただ、なぜ急にその話題になったのか分からなかったのだ。