いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
「あ、じゃあさっきの」

「そう、ウェディングは収益の大きな柱の一つだからね。ランドホテルは格式の高いホテルだけど、古いから設備は最新式に劣るし、考え方も古臭い部分がある。今の流行りは押さえつつ、うちの良さを活かした提案をしたくて」

そう真摯に語る姿はやっぱり國井の御曹司で、腕の中にいるのに遠く感じてしまう。

「そっか……やっぱり涼介は凄いね」

なんて言っていいのか分からなくて、おざなりな答えしか出来ない自分が情けない。顔を伏せたままで身じろぎしない私に、涼介は穏やかに伝えてくれた。

「凄いとかじゃなくて、仕事を面白いと思ってるだけだよ。それはきっとサラリーマンでも職人でも変わらないんじゃないかな。湊だって自分の仕事を楽しいと思ったり、やり甲斐を感じたりするだろ?」
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