いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
そのあとに送ってもらって、そこからずっと、わたしはぼうっとしたままだ。

涼介から伝えられた言葉も理解しきれないし、自分の感情はもっと上手く理解出来ない。「どうしたいんだろう」と自分自身に問いかけるだけで、答えを出す努力さえ出来ていない。

あれから涼介との打ち合わせはないし、仕事はなんとかこなしているけれど、イマイチ効率も進みも悪い。それは十日程経った今も続いていて。

「こんなんじゃ流石に……」

根を張りたがるお尻をなんとか持ち上げて、ノロノロとではあるけれど、出掛けるための準備を始めた。強制的に気分転換をしないとと思ったのだ。このままではそろそろ本格的に仕事に差し障るし、職場にこのテンションで出勤するのもやめたい。

オシャレに大して興味があるわけではないけれど、洋服を選び髪を整えると多少は気分も上がるもの。落ち込む気持ちを張り切って、自分をのせるように買い物に出かけた。
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