いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
十代からの気持ちを引きずって立ち往生している私とは大違いだ。彼は彼の人生をどんどん進んでいる。
しばらく前に彼との将来を安易に想像した事を心の中で反省した。

「ーーー柏木さ。やっぱり言うけど、お前、ひどくないか?」

川原くんの左手とそれに触れるガーベラを見つめて思考に浸っていたら、目の前で大きく息を吐かれた。

「ひ、どい?」

まさかしばらく前の妄想がバレたわけじゃないだろうし、何を責められているのか分からない。

「まぁさ、お前はそんなヤツだとは思ってたんだけどさ。流石にひどいわ」

分からないままに責められて、数日前に涼介にも同じように責められた事を思い出した。こんな風に複数の人に責められるなんて、私はどんな欠点があるのか。
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