何度でも



「えー、では次に生徒会員は前に」

司会進行役がそういうと、普通の生徒たちとは離れた席に用意されたところから、ゾロゾロと6人の生徒がステージ上にあがった。


背筋がピンとしていて、自信に満ち溢れているような威厳らしきものをその生徒たちから感じる。


「1人づつ自己紹介をお願い致します」


何となく、軽くメンバーの人たちに目を通していたとき。

何だか違和感を感じた。

そう。この違和感は。

「では、次」

「はい。1年A組、志乃田 颯真(しのだ そうま)と申します。先日行われた選挙で無事当選致しました。よろしくお願いします」


……………………………颯真?

私の頭がフリーズする。

ステージ上でそう言った男子生徒は、確かにそう言ったが雰囲気が全く違う上、当然だが見た目も私の知ってる颯真とは違った。

でも、あの小学生の頃の颯真が大きくなったらもしかしたらこうなるのかもしれない、とは思う。

もし、あの颯真が同姓同名の人ではなく、私の知ってるあの颯真だったら…………………。

疑いつつも、自分の中では颯真だと既に答えは出ていた。



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