何度でも
「ねぇ、帰ってたら何をしているの?」
「美桜さん急に聞きますね」
「気になったもので」
放課後の委員会。席は前から順に3年、2年、1年と縦並びで、クラスに関しては横並び。
つまり前から3列目の右から1番目ってこと。
ひと通り挨拶も終わり、紙を配られ解散された後。
他の人たちが席から立ち上がり帰っていく中、颯真は1人座り、紙に目を通していた。
「志乃田さんの考えでいいわ。貴方は何をなさっているの?」
颯真に『さん』付けとか気持ち悪い………………。
「そうですね………………。僕は帰ったらまず授業で出された課題を終わらせますね。その後は予習と復習をしています」
でた、課題!そして、予習と復習!(笑)
やっぱりそうなんだ。
「つかぬ事をお聞きしますが、美桜さんはなぜこの学園を受けようと思ったのですか?」
そりゃあ、もちろん颯真に会うためなんですけど……………気づいてください。
ちょっと遠回しに言ってみるか。
「………そうですね。私(わたくし)には大切な方がこの学園にいるからです。その方がこの学園に入学したのは中学1年生の頃なのですが、音信不通になりまして。気になった私(わたくし)は入学することを決めました」
これで気づくだろ?
ってか、颯真よ。というか、気づかないとおかしくない!?幼なじみだよ?名前と顔忘れたのって感じ。
「そうなんですか。そのように大切に思っていただける方はさぞ幸せでしょう」
…………おい!!!!
違うだろ!!!
もう…………………直接聞く!!
「颯真……………………………さん」
「呼び捨てで呼ばれたのかと驚きました(笑)」
また出た。この王子スマイル。
「貴方………………中学1年生の頃に入学されたのでは?」
私がそう言うと、颯真は目を見開いて驚いていた。
まるで『なんで知ってるの?』と言うかのような顔。
「元はどちらの小学校に?」
「………………………貴女に言う必要があるのですか?」
ないけど…………………確認したい。
「私(わたくし)が、貴方に興味があるから」
「……………………覚えていないのです」
「え?」
「中学1年生以降の記憶がないのです」
どうゆうこと……………?