何度でも
「僕が覚えているのは入学して3ヶ月後からの記憶。それより前の記憶は覚えていない」
私との手紙のやり取りが途絶えたのもそのぐらいから…………。
「……………誰か大切な人はいませんでしたか?幼なじみとかも?」
「うーん、分かりません。僕には幼なじみがいたという話は両親から聞いていないので」
おい!!!!両親!!!!!言えよ!!!!!
「正直、本気になってまで人を愛したことがないので、大切な方などいないでしょうね」
………………………つまり、付き合っている人はいないということ?
「あ、でも…………」
ん?
「神城(しんじょう)が何か言っていましたね。どこかに大切な方がいるだとか………」
それだよ!!!!
「思い出せないの?」
「残念ながら…………。ちょっと会ってみたい気もするのですが、その方が今どこに居られるのかが分からないので。まぁ、普通に貴女のような方とお遊びしている方が楽しいのでいいのですが」
_____ニコッ!
いや、ニコッじゃねーよ!!!!
簡単に言えば、女遊びしてますよって事じゃん!!!
まぁ、記憶がないし仕方な……………………くはないよね!
「美桜さんも、僕に興味があると仰ってましたね?」
「あるとはいいましたが、その中の1人になる気ありません」
「それは残念です(笑)」
「それに大切な方を裏切りたくはありません」
例え記憶が今なくとも、戻ったときにきっとショック受けるだろうし。
私が颯真を好きでも遊びは絶対に嫌だ。