何度でも
美紀子さん
side美桜
「………………って、ことなのよ」
「いや、意味分かんないんだけど」
今日起きた出来事を、私の部屋に遊びに来た理沙に報告をした。
「ってか、そんな漫画みたいな展開あるの?」
「それ私も思った。まさかよね」
私が感じた違和感の正体はあれってわけ。
「美桜のことも覚えてないの?」
「うん。全く覚えてない。せめて思い出しててほしかったよね」
ほら、小説とかにあるじゃん?
出会った瞬間にその人のことを思い出す的なパターン。
それ期待してたんだけど。
「その話聞いてると、女関係多そうだよね。全て遊びだろうけど」
いや、多いどころじゃないよ。きっと。
「で、美桜はどうすんの?」
「んー…………」
そりゃ、思い出してほしいよ。
今までの思い出をなかった事にしてほしくない。
でも、どうすればいいの?
記憶なんて、蘇らないこともあるって聞くし。
このまま、戻らなかったら……………。
「とりあえず様子見る」
最悪な展開なんて考えたくもない。