何度でも

side颯真




「遠慮することなんてない。図々しくっていい。気楽に楽しく遊ぼうよ。私はアンタと仲良くなりたいな」


え?


そう言われた瞬間、自分でもよく分からないが、なんと言うか…………………来たことのない土地なのに懐かしいなっと思ってしまうような、そんな感覚になった。


向こうは何やら動揺していて、たぶん急に変なことを言ってしまったと、焦ってるんだろう。


キスしようとしたら頭突きされるし、裏の顔の方が良いって言われるし。

本当、変わったやつだよな。

まぁ、普通頭突きする時点で変わってるか。


正直神城以外にこの性格を出したのは初めてで少し戸惑ってるけど、別にそこまで違和感ないし、楽だから良いか……………。

神城に言われたし、コイツとなら遊びとかじゃなくて、付き合っても良いかも。

女なんて誘えば軽々引っかかるし、今回も______………………待てよ?


俺、自分から女を誘ったことねぇかも。

いつも向こうが勝手によってきて、それを漁るって感じだったからなぁ。

やべぇぞ…………。

いや、俺が言えば大体は通るし大丈夫だろう。

「あ、17時になった。授業終わったね」

「四ノ宮さん」

「ん?なーに?」


「この後の自由行動、俺とどう?」

俺からの誘いなんて滅多にない。

「四ノ宮さんのこと、もっと知りたいな」

普通の女なら『え………っ?///』ってトキメキ、俺についてくる。……………………はずなのに。


「あ……………ごめん。友達と回る約束してるから」

マジか……………………………。

俺の誘いを断るとかありえねぇ。

「それじゃあ!」

そう言って、俺の部屋から出ていった。

…………………やっぱ普通の女じゃねぇな。




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