何度でも



その中の5人が受かるだなんて想像しただけで、確率スゴイな〜って思ったし、受かるか分からないなんて少し弱気にもなった。


けど、こうやってその枠を見事に勝ち取り、一緒に入学できた。


それって、本当に奇跡だよね。


「…………そういえば元気かなぁ………」

「どうしたの?」

「えっ、あ………私の背中を押してけれた大切な友達が、地元にいるの。メールでやり取りはしてるんだけど、ここに来て以来会ってないから不安で。病気してないかな………悩んでないかな…………忘れてないかな…………って」

………………美華子ちゃん。


「……………それなら大丈夫だと思うよ。向こうもきっと同じ気持ちのはずよ。忘れられてないかって不安だし、きっと美華子ちゃんにも会いたいはず。だから、今度休みのとき帰ってみたら?きっと向こうは嬉しいはずよ」

私のときも、颯真はこんな風に哀しんでくれたのかな。

そうだと良いんだけど。あ、でもあの後記憶なくしたから、私の事覚えていないのか………………。


「ねぇ、それより食べない?」

「あ、忘れてた。確か理沙が買ってくれたのよね!」

有名なお菓子メーカーのRené(ルネ)は価格はそこまで高くなく、でも安物といったような感じてはない。

新鮮なフルーツを使ったフルーツタルトや、外国で修行したパティシエが作るチョコレートケーキ。酸味と甘さが心地よいカボスジュレサンドクッキーなど、内容的には安いとは思えない。


だが、価格は庶民的で見た目は高価ということから、一般に受け、このショッピングモールに抜擢されたらしい。

このショッピングモールは『一般』という言葉を掲げているから。

「うわ〜、美味し〜い!!!幸せ」

「この甘さがなんとも言えないよね〜。ほら、美華子さんも食べれば?」

「えっ、いいの!!?」

「当たり前でしょう。みんなで食べるために買ったのに」

「じゃあ……………いただきます……っ!!」

なんかこうゆうのいいなぁ〜。

『これぞ、女子会!』みたいな感じで(笑)

このあとは恋話とか語っちゃったりするのかな〜!気になる人とか!?

「大丈夫よ。美桜が思ってるようなことにはならないから」

え!!??

「あんた顔に出過ぎ」

「そ、そんなわけ……………」

「そもそもアンタの考えそうなことは、予想ついてるし」

……………………じゃあ、アレも?

「ん?………あぁ。枕投げ?しないわよ」

うっそーん!!!!

しかも、バレてるし!

お泊りの定番が……………………。

「それに21時から肝試しがあるじゃない」

「あ、肝試し」

そうだよ……………。あの、モンスターが光におびき寄せられてやってくる恐怖の時間…………。


そこだけが怖い……………。

「ってかさ、もうすぐじゃん。時間経つのあっという間ね。早めに行っとく?」

「そうね。遅刻するのも何だし行っとこ」

「じゃあ、戸締まりするねっ」

もうすぐで、インディード学園の1年生による、肝試しが始まろうとしてる。

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