何度でも



「ごめんね。四ノ宮さん僕と約束してたんだけど、忘れてるみたい」

_____ニコッ。


バレないように静かに回り込み、後ろから抱きつく。

四ノ宮はこの状況についていけず、テンパっている感じ。

まぁ、約束してねぇしな。

後ろ姿じゃ分かんなかったけど、この男、同じクラスの千葉成海だ。

俺と同じ中学のときに転校してきたやつ。


チャラそうな外見に反したしっかりした口調。

地味なやつではないが、大して目立つやつでもない。

しかし、女や男など男女問わず仲良し。

明るい性格が特徴………と言ったとこかな。

見た感じ四ノ宮に興味ありって感じだが、負ける気がしねぇ(笑)

今まで落ちなかった女といったら、コイツぐらいだしな。


……………ん?それにしても、俺と同じ中学のときに転校か…………。


もしかして……………。


_____モヤッ。












「はーい!ではラストA組の番でーす!!!」

配られた白紙のカードと1組に1つの懐中電灯を手に持って、列に並ぶ。

「四ノ宮さんは怖いの平気なの?」

「えぇ。夏の心霊特集なんて普通に見れますわ」

「そうなんですね。僕も平気ですね。正直やらせとしか思えません」



『あそこだけ、なんか輝いてる…………!!!』

『委員長同士仲いいですわね』



「怯える姿が見れると思ったのですが、残念ですわ」

「期待を裏切ってしまったようで、すいません(笑)」

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