何度でも

「…………俺じゃ駄目なわけ？」

…………………………は？


「え、なにが？」

「俺をそいつ忘れるために使えばって言ってんの。頭悪いなぁ」

ほんと、口悪いなこいつ！

「そんなこと出来ないよ。そもそもアンタは女遊びが激しすぎる。そんなやつとは無理ね」

「ふーん。じゃあ、遊んでる女と縁切ったらいいわけ？」

え？

「まぁ、近寄る女を気分しだいで適当に相手にしてただけだしな。もともとソイツ自体には興味出なかったし」

「アンタ最低ね」

だから、女と遊ぶくせに鬱陶しそうな顔してたわけね………。

「そもそも、私の事を好きじゃないでしょう？」

「……………普通（笑）でも、俺をソイツ忘れる為に使えばよくね？俺も暇だし、四ノ宮と一緒にいるの悪くもねぇし」

なに、その理由。

しかも、普通って…………。

「私、アンタのこと…………好きじゃないけどいいの？」

とか言って、少しは嬉しいんだけど。

でも、こんな曖昧な気持ちのままじゃダメって思う。

それでも、もう一度付き合えば、何か分かることもあるのかなって。


少しは変わるのかなって。

「別にいいよ。これからお互い好きになればいいし、知っていけばいいよ」

…………………期待しちゃう。

そんなこと言われると、また昔のように戻れるんじゃないかって。

今の颯真と向き合わないといけないのに。



でも、無理だからこそ今から今の颯真を知っていく。


過去は過去。今は今。

そうだよ。記憶が戻ったときは戻ったとき。

戻らなかったときは、戻らなかったときよ。







………………よし。

















「じゃあ、よろしく」