何度でも
家に帰ったのは19時過ぎ。
帰宅部なのに、帰りが遅すぎる私をお母さんはかなり心配していた。
ちなみにお父さんは、颯真のとこみたいに、県外で働いている為、お盆や正月以外はあまり帰って来ない。
「どこいってたの?心配したのよ?」
「……………うん。ごめんね」
公園で考え事してたらこんな時間になってたんだよね………。
「ご飯は?」
「あ、いる。部屋に荷物置いてくるね」
………………私が颯真と同じ学校だったら、こんな思いしなくてすんだのかな…………。
「お母さんのご飯、口に合わなかったかしら?」
「…………………え?いや、美味しい!!」
「よかった」
お母さんに心配かけちゃダメよね。
考え事やめなきゃ。
「ねぇ、美桜」
「なぁに?お母さん」
「インディード学園に行きたい?」
はい?
「え?」
「颯真くんも転校したインディード学園。流石に編入は無理かもだけど、高校からだったら可能よ」
え、でも………………。
「学費が高いって……………家にそんなお金ないじゃん!」
ただの一般家庭だし。
「…………美桜の為に貯めてきたお金があるの。それを使いましょう」
私のために貯めてきたお金?
「たぶん卒業出来るだけはあると思う。だけどね、これだけは知っていて」
「?」
「あそこは、家柄ばかりを気にする裕福な家系がたくさんいるわ。もちろん、嫌なことの方が多いでしょう。それでも、通いますか?」
………………それはもちろん!!
でも、何でお母さんそんなことを?
「いいでしょう。高校受験で受けるといいわ。美桜なら受かるとは思うけど、入ってからが大変だから、その為に塾を習わせます」
「分かった…………」
これも、インディード学園に行くため……………。
我慢!!