何度でも












 ✽


「じゃあね、美桜」

「あ、うん!またねー!」


教室で理沙と別れ、1人で颯真を待つ。


「四ノ宮さん、また明日ね」

「えぇ。また明日」

クラスメイトとも挨拶を交わし、次第に人気が少なくなる。

颯真も人気が引くのを待ってる。

いつもなら放課後のお誘いを受けてるはずなのに、今日は不思議と誘われない。

逆に皆は何だか忙しそうだ。

今日の日に限って?

「四ノ宮さん」

「…………………ん?あ!すいません。考え事してましたわ」

「行きますよ」

「どこにですか?」

そういえば聞いていない。


「歩きながら話しましょう」

教室を出て、廊下を歩き、昇降口を抜ける。

「で、どこに行くの?」

「最近、忙しくて話す機会もなかっただろ?」

「………………うん」

「だから、話したいなぁって」

颯真……………。

「で、なんでこっち方面なわけ?」

こっちは寮の方向じゃないし、強いて言えば校門の方面だし。

学校側に書類提出してないんだけど。

「あ〜………………ちょっと付き合え」

「は?勝手に出たら怒られるよ!?」

「2人分書類出してるから大丈夫」

なら大丈夫だね!………………じゃないし!!

「ほんとどこ行く気なの?」

________キキッ。


校門の前に停められた黒いリムジン……………。

「え?」

「………………ごめん!四ノ宮」

中から出てきた黒いスーツを着た男たちに取り押さえられ、中へ連れられる。

「いやぁぁぁぁぁあ」

何が起こってるの!!!???





< 74 / 125 >

この作品をシェア

pagetop