何度でも






連れて来られた場所は、高級そうなホテル…………。

車の中では混乱し過ぎて颯真と話せなかったし、ついた途端別々になったからなおさら話していないし。


アイツ……………………ちゃんと説明しろ!!!!!


「四ノ宮様」

「あ、はい!」

さっきの人たちとは真反対の白いスーツ。

ホテルの人っぽい。

「こちらでございます」

「え、あ………はい」

理解できていないまま、部屋の一室に連れて行かれる。


中にはニコニコした若い女の人が2・3人…………。


ん!?

「あら!綺麗な子ね!さぁ、座って」

「あ………はい」

「艷やかな黒髪ね!巻いてみましょうか」

「ドレスはこれだから着替えてね」

何が起こってるんだ!?

「メイクはドレスに合わせてピンクをメインにしましょう」

気づけばいろんなことをされていて、もはや人形状態……………。

「出来た!似合うわね!!可愛いわ〜!」

「え……………これ私?」

鏡を見るとくるんと巻かれた髪の毛に、しっかりしたメイク。

白色が基調で下にピンクの桜の柄が入った可愛いドレス………………。

履きなれないヒール。

未だに状況が把握できていない。


________コンコンコン。

「あ、志乃田様。準備完了致しました」

「ありがとう」

ビシッと着たスーツに、髪はワックスで後ろにやってる。

何だか大人っぽくて、違う人に見える。


正直、カッコイイ………………。


「………………!」

「お綺麗ですよね(笑)」



なんか、固まってる?

「はぁ、連れてこなかったらよかったかなぁ…………」

は??コイツ勝手に連れて来といてなんなの!!?

「似合いすぎる………………。他の奴らにこの姿見せるのは惜しいな」

「意味分かんないんだけど。あとさ、これどうゆう状況なわけ?」

「あ〜、パーティーに一緒に参加してもらう」

あぁ!パーティーね!……………………って、はぃ!?

「何の?」

「神無月姫華さんの誕生日パーティー」

神無月姫華さんって……………………あの人じゃん!!!

ってか、あの人今日誕生日なわけ?

しかし、今日学校を休んでたのはもしかしてこの為か……………………。


「男女ペアで行かなくちゃ行けねぇんだよ。親父は取引先との交渉に行ってるし、俺が代理で出ることなったんだが、ペアがお前しかいなくてなぁ」

いやいや、そんな………………他の企業の人たちも来るってことでしょ!!??

私なんかが、颯真の横にいるなんて………………なんか場違いな気がする。


お嬢様でもないのに。

「他の子でも良かったんじゃないの?お嬢様な子とか………」

「何言ってんだよ!誰でもいいんじゃなくて、俺はお前を連れてきたくて連れてきたんだ。堂々と立ってるだけで大丈夫だ」

「………………わかった」

「それにご飯は食べ放題。スイーツもあるぞ」


……………………え!!!


「うそ!!!」

「食べ物になると元気良くなるんだな(笑)」

「スイーツ〜♪」

スイーツ食べれるんなら我慢するよ!!!



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