何度でも
side颯真
親父の代わりに神無月家の誕生日パーティーに行かされたのは確かだが、それとは別に個人宛に招待状が届いてたから行くしかなかった。
大体のやつらは男女ペアでパーティーに参加する。
親父の代わりにパーティーに参加させられるのは今日が初めてではないが、今まで女とパーティーに参加したことはない。
パートナーと言われ、親しい関係であることを示すからだ。
誘われることはあっても誘うことは今までなかったが、まさかパーティーに女を連れて参加する日が来るとは思っていなかった。
「どうゆうこと?」
正直、着飾った四ノ宮は今まで以上に美しくて、見惚れてしまう。
四ノ宮は可愛いという自覚はないようだけど、メイクをしているせいかますます可愛くなってる。
「ほら、行くぞ」
軽く説明しただけですぐ理解する辺りは流石といったとこか……………………。
パーティー会場にはたくさんの人で賑わっていた。
取引先の会社の代表は俺を見ると挨拶しにすぐ近寄り、軽く隣をチラッと見ては赤く染まる。
「いいお嬢様ですね」
「ありがとう」
近寄る女に、四ノ宮を見せると敵わないといった顔で去っていく。
当の本人は上の空。
スイーツの方をジーッと見つめており、スゴく分かりやすい。