何度でも
side美桜
ひと通り食べ終わると、志乃田くんを探す。
人が多くてどこにいるんだか全然分かんない………………………。
あ、あそこにいる人は歌手の薪春(まきはる)だ。
あっちはジムで有名なPRAYの社長。
こうして、見るとやっぱりみんなスゴイなぁ。
颯真も……………………神無月さんも。
私なんて一般家庭なのに、こんなとこに来てよかったのだろうか。
……………………………………ん?
あの後ろ姿誰かに似てる……………。誰だろう?スゴく身近な人のような気がするんだけど思い出せない。
ショートカットで、160cmの高身長。
………………あ。いやいや、そんな訳ない(笑)
だって、あり得ないもん(笑)
それに、似てる人なんてたくさんいるしね〜!!
「食い終わったか?」
「あ、志乃田くん。美味しかったよ」
「だろうな(笑)一流シェフが作る料理たちだから」
「そういえば、別れたあと何してたの?」
「挨拶回り。交流とかも深めないといけないし、次の取引に繋がるように会話するのも大切だからな」
………………………大変だなぁ。私、その間食べてばかりだ!!
「用事はすんだし帰るか」
「もう大丈夫なの?」
「あぁ。ひと通り顔出したしな」
そういえば肝心の神無月さんにお祝いの言葉言ってないなぁ…………。
「あら!颯真さん」
……………そうなんだよ。こうゆうときに限って来るよね…………。
「神無月さん。お誕生日おめでとうございます」
「ありがとうございます。……………………あらなぜ貴女がここに?不法侵入かしら」
うわぁ〜……………。
無理やりつれて来られたんだけど?隣の人に。
「誰か!この者を外に!」
「神無月さん。四ノ宮さんは僕が連れてきたのです。パートナーとしてね」
つまみ出されるかと思った………………。まぁ、無理やりつれて来られたから別にいいんだけども。
「この庶民をですか?」
「えぇ」
さっきからスゴい言われようだなぁ……………私なんかしたっけ?
「私(わたくし)が誘ったときは断ってらっしゃったのに…………」
「どうしたんだね?姫華」
お?なんか叔父さん登場。
神無月さんのお父さんかな?
「お父様」
あ、正解だ(笑)
「おや、志乃田くんじゃないか!娘の誕生日パーティーに来てくれてありがとう」
「いえ、こちらこそお招きいただきありがとうございます」
「おや?そちらの方は?」
「僕のパートナーでございます」
「パートナー…………ですか。なんとお綺麗な方ですね」
「ありがとうございます」
「で、どこのお嬢様かな?」
ん?
「さぞかし、有名なとこなのだろう(笑)」
えー………。一般家庭なんですけど!?
「彼女は業界の者ではありません」
「と、言うと?」
「一般の方です」