何度でも
寮に着いたのは12時過ぎで、思ったより早く帰ってきてしまったようだ。
「あら?もう帰ってきたの?」
「はい。良い帰省でした!」
購買のおばちゃんに一声かけて、部屋に向かう。
やはり誰も帰ってきていないようだ。
いつもより、廊下がシーンとしてる。
「やっぱり理沙も帰っていないよね………」
隣の部屋を見るが、帰ってきてる様子はなかった。
____ガチャ。
「ふぅ。ただいま…………」
重い荷物を部屋へ置いて一段落したあと、駅で買った弁当を食べる。
実家が賑やかだったからか、少し寂しいや…………。
______ピロリン♪
ん?今のはチャット音………?
画面を見ると、そこには『颯真』と記されたチャットが入っていた。
何だろう?
《帰ってきたのか?》
うわ…………まるで見てたかのように、タイミングいいなぁ………………。
《うん》
《どうだった?》
《楽しかったよ。久しぶり親に会えたし》
《そっか。今寮なのか?》
《うん。どうしたの?》
《今から会わねぇ?》
…………………今から!!??
帰省はどうしたのかな?
《今暇してるし、俺の家に来いよ》
ということは……………………あの家か。
って、いいの!?
帰省中に勝手にお邪魔なんてして………………。
《じゃあな》
あ!もう………………………勝手なんだから。
仕方ない。行くしかないなぁ。