不・適合者
―――キーンコーンカーンコーン


予鈴が鳴ったから作業をいったん中止させて教室へ戻る。


教室に入って席に着くとほっと一息ついた。


家に…帰りたいな。


1時間目も始まらないこの時からその思いでいっぱいになった。


授業が始まると、私は無意識に親指の皮をめくってしまう。
唇も。


痛いんだ。痛いんだけどやめられないんだ。


なんでやめられないのかはわからない。


親指は皮のめくり過ぎで腫れあがってて、爪になるはずだった細胞が壊されて親指の爪の表面はでこぼこだ。


唇も毎日リップクリームを塗っているけどそんなものの効果は到底ない。
カサカサだ。

< 23 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop