不・適合者
自分の努力不足だってわかってはいるけど、どんどん自分の意見に自信がなくなっていった。


「じゃあ、次はこれを決めよう。」


次は、さっきとは違うメンバー、那子がこのセリフを言った。


「ねえ、さっきから愛結仕切ってなくない?他の子が仕切るのやめようよ。」


ああ…やっぱりこうなった。


ちゃんと私が仕切ってればよかった。意見を述べてればよかった。


「ごめんね!」


―――キーンコーンカーンコーン


「あ、チャイムだ。また放課後ね!」



あ…まただ。最後に言わなきゃいけないセリフまで自分で言えなかった。



こんな臆病な自分が嫌いだ。


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