【完】俺が幸せにしてやるよ
結構スッキリしてるしね。昨日施設の悪口言われたことに関してはまだ怒ってるけど。
悠斗くんから施設のことを言われなかったのが大きいと思う。
そんなことを思いながらリビングに到着。
キッチンにいるのはこの施設の施設長の鈴木波留さん。みんな波留さんと呼んでいる。
「波留さん。おはよう!」
いつも明るい挨拶から始まる。
この施設ではそういうふうに決まってるんだ。
「あ、陽葵。おはよう。もう中学校卒業して学校に行く必要ないんだし、ゆっくり寝ててもいいのよ?」
波瑠さんはいつもそうやって私に良くしてくれる。
「私もそうしようかなって思ってたんだけどやっぱりいつもの癖でこの時間に起きちゃうんだよね」
習慣って怖い。目覚まし時計なんて必要ないもん。
「あら、そうなの⋯⋯。あ、今日お客さんが来るわよ。しかも2組」